これまで抗合成酵素抗体を伴った筋炎は皮膚筋炎、多発筋炎などに分類されながら、同時に抗合成酵素症候群として解析されてきた。しかし、Stenzelら(2015) はこれらの患者では効率に筋核内にアクチンを含む封入体が検出され、また筋束周囲の筋線維の壊死を含む変性がめだつことなどから、他の筋炎と異なる病態である報告した。Mescam-Manciniら(2015) はJo-1 抗体陽性例では筋束周囲で壊死線維が高頻度で見られ、炎症が強く筋束周囲筋炎(perifascicular myositis ) の状態が見られることから、perifascicular atrophy が見られるDMとは異なる病態であるとしている(Fig. 46)。
Fig.46
抗アミノアシルt-RNA合成酵素抗体陽性筋症ではperifascicular myositis と名付けられた筋束周囲の炎症がしばしば見られる。