一般細菌による筋炎は皮膚などの組織からの波及や外傷に起因するものを含めるとまれではない。とくに種々の原因による免疫不全状態で発生しやすく、回復も遅れがちである。起因菌は、黄色ブドウ球菌、A群溶連菌、大腸菌など一般的な菌が頻度として多く、通常は重篤な状態に陥ることはまれである。しかし急性の横紋筋融解がクロストリジウム、ブドウ球菌、溶連菌などで起きる。特にクロストリジウムによるガス壊疽のように、急速に発症し重篤化するものがあり、警戒を要する。マイコプラズマ感染では筋をふくめ同時に多臓器に感染が波及することがある。局所の発赤、変色、腫脹、疼痛や触診所見などの局所症状とともに、発熱などの全身状態にも注目し、早期に病態を把握して対応することが望ましい。
真菌による筋炎は免疫不全状態でおきることが多い。クリプトコッカス、カンジダ、アスペルギルスなどの感染が主で、全身の真菌感染症の一部であることが殆どである。