⑫ 染色

免疫組織化学染色:酵素抗体法

免疫染色法は抗原に抗体が結合する抗原抗体反応を利用した染色法である。

特定の抗原に結合する抗体を切片上で反応させて、できあがった抗原抗体複合体に色をつけることで可視化する。

可視化する際に、酵素の活性を利用する染色法を酵素抗体法という。

染色法

ポリマー法・標識酵素ペルオキシダーゼ

① 脱パラフィン、水洗
②蒸留水洗
③内因性ペルオキシダーゼ阻止15分
④水洗
⑤蒸留水洗
⑥抗原性賦活化処理加熱処理など
⑦水洗
⑧蒸留水洗
⑨PBST洗浄5分間×3
⑩ブロッキング15分以上
⑪一次抗体4℃、一晩
⑫PBST洗浄5分間×3
⑬ポリマー試薬常温、30分
⑭PBST洗浄5分間×3
⑮DAB発色顕鏡して発色を確認
⑯水洗
⑰蒸留水洗
⑱核染ヘマトキシリン、1分間
⑲水洗15分間
⑳脱水・透徹・封入

検出方法

抗原抗体反応の検出には、直接法やABC法、LSAB法、ポリマー法など様々な方法がある。

また、それぞれの検出方法に応じて様々な検出キットが各社から販売されている。以下に神経病理解析室で使用しているキットをご紹介する。

① ABC法(Vector Laboratories社 ABC kit)

ビオチン標識二次抗体とアビジン-ビオチン標識酵素を用いる。標識酵素はペルオキシダーゼとアルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼの三種類。

ABC法のしくみ

② LSAB法(ニチレイバイオサイエンス社、SAB-POキット)

ビオチン標識二次抗体とストレプトアビジン標識酵素を用いる。標識酵素はペルオキシダーゼとアルカリホスファターゼ。

LSAB法のしくみ

③ ポリマー法(Dako社、EnVision plus)

酵素と二次抗体が標識されたポリマー試薬を使用する。標識酵素はペルオキシダーゼとアルカリフォスフォターゼ。

ポリマー法のしくみ

抗原賦活化

抗原決定基がホルマリン固定によってマスクされて、抗体と結合できなくなることがある。そこで、抗原賦活化処理によってマスクされた抗原決定基を露出させ、抗体と結合できるようにする。

抗原賦活化処理には加熱処理、蛋白分解酵素処理、ギ酸処理がある。

加熱処理

方法:電子レンジを使う方法
  1. ビーカーなど耐熱容器に加熱溶液とスライドグラスを入れる。上にフワッとラップをかける。
  2. 別の耐熱容器に加熱溶液と同量の蒸留水を加える。
  3. 家庭用電子レンジでスライドグラス入り耐熱容器と蒸留水入り耐熱容器を10分加熱。
  4. 加熱溶液が減ってスライドグラスが水面からはみ出る場合、同時に加熱した蒸留水で減った分量を補う。
  5. さらに5分加熱
  6. 常温に放置して冷ます。手で触れることができる程度に冷めたらスライドグラスを取り出して水洗する。
方法:オートクレーブを使う方法
  1. 蓋付き耐熱容器に加熱溶液とスライドグラスを入れる
  2. オートクレーブで120℃10分間加熱する
加熱溶液

※基本は0.01Mクエン酸緩衝液、pH6.0で加熱する

蛋白分解処理

ギ酸処理

※ Aβなどギ酸処理が必要な抗体がある

使用する試薬

① 洗浄液

② 内因性ペルオキシダーゼ阻止液

③ 抗原賦活化液

④ ブロッキング液

※ 二次抗体と同じ動物種の血清を用いる。

⑤ 発色液(標識酵素がペルオキシダーゼの場合)