⑫ 染色

ヘマトキシリン・エオジン(Hematoxylin Eosin:HE)染色

ヘマトキシリンで細胞核を青紫色に、エオジンでその他構造物を種々の濃さの紅色に染める。

染色法(マイヤーのヘマトキシリン液を使用する場合)

① 脱パラフィン
② 蒸留水水洗
③ ヘマトキシリン液4分
④ 流水洗(色出し)10~20分
⑤ エオジン液2分
⑥ 70%アルコ-ルで分別、脱水、透徹、封入

体験ムービー

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手順:解説イラスト

染色液

マイヤ-(Mayer)のヘマトキシリン液

ヘマトキシリン1.0g
蒸留水1000ml
ヨウ素酸ナトリウム0.2g
カリミョウバンまたは
アンモニウム・ミョウバン
50g
抱水クロラ-ル50g
結晶性クエン酸1.0g

ヘマトキシリン液は多数の種類がある。代表的なヘマトキシリン液はマイヤーとカラッチである。

マイヤーは酸を含む染色液で、カラッチは酸を含まず比較的中性である。したがって、マイヤーとカラッチは染色法が異なる。

マイヤーでは、核がまず赤紫色に染まるので流水洗によって核を青紫色にする。一方、カラッチでは、全体が青紫色に染まるので塩酸アルコールなどで分別し、核を青紫色に染め残すようにする。

エオジン(Eosin)液

*1.0%エオジン水溶液
エオジンY, 水溶性1.0g
蒸留水100ml
*使用時に
1.0%エオジン水溶液20ml
80%アルコ-ル160ml
氷酢酸10滴

染色液の管理

ヘマトキシリン液

染色液を調整後、複数回使用していくにつれて染色結果が変化していく。原因は以下の3つが考えられる。

  1. ヘマトキシリンの自然酸化
  2. 切片についた水が染色液に持ち込まれることで染色液濃度が低下
  3. 色素が消耗されることで染色液濃度が低下

染色結果を一定に保つために、定期的に染色液を新調することが必要となる。また、染色液は冷蔵保存すると長持ちする。ただし、使用時は常温にする。

ヘマトキシリンの自然酸化による染色性低下

エオジン液

エオジンはヘマトキシリンと違って、古くなっても良く染まる。

また、染色性を強くしたい場合は酢酸を少量加えると良い。

染色態度

ほとんどの正常・異常構造物はHE染色で観察することが可能であるが、鑑別診断に重要な構造物の一部は可視化できないので(下表参照)、他の特殊染色・免疫染色を要することに留意する。ヘマトキシリン液(カラッチ、マイヤー)によって好塩基性の様子は若干異なる。