⑬ 脱水・透徹・封入

染色後に非水溶性封入剤を用いて封入する場合に行う一連の操作。

脱水

低濃度のアルコール槽から段階的に純アルコールの槽に移すことにより、組織中の水分をアルコールと置き換える。
それぞれの液に2〜3分ずつ入れる。

70%アルコ-ル
95%アルコ-ル
純アルコ-ル I
純アルコ-ル II
純アルコ-ル III

透徹

脱水後、組織中のアルコールをキシレンに置き換えるために行う。この操作により組織は透明になり、検鏡に適した標本となる。
それぞれの液に10分ずつ入れる。

キシレン I
キシレン II
キシレン III
封入

脱水・透徹の気をつけること

次の液に移す際に良く液を切ることは大事であるが、液切りに時間をかけすぎると空気中の湿気がスライドグラスに付着しバット内に水が混入することになる。従って、液切りは手早く行い素早く次ぎの液に切片を移すことが肝心となる。液はすぐに汚れるが、液を頻繁に交換すれば良い。

封入の方法(大型の場合)

  • 封入剤は蓋付きの瓶に入れておく。必要に応じてキシレンで希釈する。封入剤を滴下するためのガラス棒も用意する。
  • 適当な大きさのカバーグラスを濾紙の上にのせる。ゴミが付着していたら軽くガーゼなどでふく。
  • カバーグラスの上に適当量の封入剤をガラス棒で落とす。
  • スライドグラスをキシレンから出して濾紙の上に置く。
  • 右利きの場合、カバーグラスを右手に持つ。封入剤が乗っている面が下向きになるようにカバーグラスを反転させて左手に持ち変え、カバーグラスの左端をスライドグラスの左側に斜めに立てておく。
  • カバーグラスの封入剤がスライドグラスの上に落ちるのを待つ。
  • カバーグラスの右端を切片針で支えながらゆっくりと下ろしていく。気泡が入らないように気をつける。
  • カバーグラスから切片針をゆっくりと離すと封入剤が切片の上を広がっていく。
  • はみ出した余分の封入剤をキムワイプなどで吸い取る。
  • 新しいキムワイプでスライドグラスの裏面をふき取る。
  • 切片針を使ってカバーグラスの位置を正す。

封入の方法(小型の場合)

  • 適当な大きさのカバーグラスを濾紙の上にのせる。ゴミが付着していたら軽くガーゼなどでふく。
  • カバーグラスの上に適当量の封入剤をガラス棒で落とす。この際、封入剤はカバーグラスの片側に寄せて乗せる。
  • スライドグラスをキシレンから出す。
  • 切片が乗っている面を下側にしてスライドグラスを両手で持つ。スライドグラスの長軸方向の端を、カバーグラスの封入剤が乗っている所に斜めに立てる。
  • 封入剤がスライドグラスの端になじむ。
  • スライドグラスを手でゆっくりと下ろしていく。
  • 途中で手を離すと封入剤が切片の上を広がっていく。
  • 切片を反転させて出来上がり。

気泡がはいった場合

  • 軽くカバーグラスを押さえて押し出せるものは押し出す。この場合、押さえすぎると封入剤がカバーグラスからはみ出る。また、押し出そうとする気泡とは別の気泡ができることがあるので気をつける。この場合、カバーグラスを外してもう一度やり直すか、以下の方法を試す。
  • 切片針でゆっくりとカバーグラスの片端を持ち上げてカバーグラスをはがしていく。カバーグラスがはがされると封入剤も同じ方向にむかって切片の上を動いていく。
  • 気泡があるところまでカバーグラスを持ち上げていき、封入剤が気泡のところまで行くと気泡は消える。
  • ゆっくりとカバーグラスを元に戻す。