Frequently Asked Questions

Frequently Asked Questions

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脳標本包埋のためにパラフィン真空包埋装置の導入を検討しております。お使いの製品の型番などを教えて下さい。

私どもは 株式会社高島商店 T-19-TN-1 パラフィン包埋装置を使用しております。

アザン染色で使用するアニリン青・オレンジGの試薬作製で煮沸とありますが、どのくらいの時間煮沸すれば良いでしょうか?

私どものプロトコールには決まった煮沸時間はなく、 アニリンブルーの粉が溶けるまでとしております。 (溶ける時間は粉の量に依存します)
アニリンブルーの粉のだまだましたものがなくなるまで煮沸します。
溶けると透き通った黒い色になります。
濾過する際に溶けたかどうか確認できると思います。

Martius scarlet blue(MSB)染色について、市販のMSB染色キットを用いて、メーカーや論文のプロトコールを参考にMSB染色を行っていますが、染色が安定しません。

染色性が安定しない理由は染色手技とは限りません。
染色の前の固定、脱水、包埋、薄切、脱パラフィンなどのプロセスに問題がある場合があります。
特に固定の良し悪しは染色性を大きく左右します。
どのような状況で標本作製されているのか詳細は分かりませんが染色に至るまでの手技を一度見直すと意外と良い結果がでるかもしれません。

脳の固定はどのようにされているでしょうか

脳全体をそのまま固定液に入れて固定する浸漬固定が主流です。 脳を取り出した後、10%中性緩衝ホルマリン液に入れて10日間から2週間固定しております。

ニッスル染色を行ったのですが、染色結果が薄く思うように染まりません。
クレシルバイオレットの調製方法はどのようにされているでしょうか。

クレシルバイオレットは溶けづらいので私は以下のように調整しています。 1000ミリリットルの蒸留水に1gのクレシルバイオレットを入れて温めながらしばらく撹拌します。 帰宅前に60度恒温槽に入れて一晩放置し、 翌日しばらく撹拌した後に濾過します。
一般的な染色の教科書にはクレシルバイオレット液に酢酸を添加する調整方法が 紹介されていると思います。私はクレシルバイオレット液には酢酸を添加しません。

ニッスル染色が染まりにくい場合、どのような対応があるでしょうか

クレシルバイオレット液のpH値によって染まり方が異なリます。
pH値が3.0近辺では、ニッスル小体、核小体、核膜のみが淡青色に染まります。
pHの値が高くなるにつれて全体的に色が濃くなり、 神経細胞の細胞形質、神経線維、グリア細胞などが共染するようになります。
もしかしたら、染色液のpH値が低いため染まりが悪いのかもしれません。
一度染色液のpHを確認しても良いかと思います。

抗リン酸化TDP-43(pS409/410) 抗体(TIP-PTD-M01)を使用して免疫染色の条件検討を行っております。ギ酸処理を加えてみたものの明らかな陽性像が得られませんでした。
FFPE切片によるリン酸化TDP-43免疫染色のプロトコルについてご教示いただけま すと幸いです。

抗原性賦活化について蟻酸処理を試したとのことですが、 私はこの抗体を使用する際に蟻酸処理を行ったことはありません。 pH6.0の0.01Mクエン酸バッファーでオートクレーブ121度10分間行っております。
オートクレーブではなく、電子レンジで15分間加熱でも良いと思います。
電子レンジ使用の際は突沸に十分ご注意ください。
必ずシグナルが得られると分かっているポジティブコントロールであっても染色がうまくいかないようでしたら、染色条件以外に問題があると思います。
また、pTDP43ではない他のタンパク質が凝集している可能性を考慮し、pTDP43だけではなく、ユビキチン抗体で染色をしても良いのではないかと思います。

剖検脳のGB染色を行う際、赤血球が濃く染色されてしまいます。赤血球が染色されない、または、しにくい工夫はありますか?

私どものプロトコールではガリアス染色の非特異的反応を小さくするために過マンガン酸カリウム処理を行っていますが、それでも軟膜や赤血球などは染まってしまいます。観察する際にHE染色標本と見比べながら観察をするか、出血部位を出来るだけ避けて標本を作製するか、などで対応をします。

Gomori’s one step trichromeで染色開始前に二クロム酸カリウムや過マンガン 酸カリウムでの媒染処理は不要ですか?

神経病理解析室では媒染処理はしないで染色しています。

膠原線維の染色法はGomori’s one step trichrome以外にも色々あって、媒染が必要となる染色法もあります。Gomori’s one step trichromeは媒染がないため手間のかからない染色法として 神経病理解析室に伝わっています。

比較的短時間で染色できるので気軽な染色法なのではないかと思います。

媒染無しで染色したところ、とても良好に染色できました。

大型スライドグラスでの染色に使われている染色かごと染色瓶はどこで手に入るものかお教えてください。

私達は75✕105mmと76✕52mmのスライドグラスを染色する際に、大型の染色かごと染色瓶を活用しております。染色かごと瓶は共に特注品です。

染色カゴ(染色カゴは取手が取り外せるようになっております)
カゴ:36✕78mm高さ35mm
取手:高さ80mm、持ち手部分75mm

染色瓶:内径90✕50mm, 高さ130mm, 厚み3.8mm
染色瓶の蓋:105✕65mm, 厚み3.8mm

頭部外傷剖検例においてHE染色で脳挫傷と神経細胞の虚血性変化を、βAPP染色で白質の走行に沿った陽性像を確認しました。外傷特異的な軸索損傷の検索にGB染色とSMI31染色は使えますか?

HEや銀染色、βAPP染色は外傷以外の要因による軸索障害も検出します。外傷特異的に軸索障害を検出する染色法はありません。

軸索腫大の検出には、GB染色よりボディアン染色の方が適しております。ただし、ボディアン染色は正常な軸索も染めますので軸索腫大の検出は慣れていないと分かりづらいと思います。βAPP陽性となった部位をよく見ていただければと思います。

SMI31染色は基本的にはボディアン染色と同様の染色像が得られます。ボディアン染色は軸索のほかに細胞成分や血管なども視覚化しますので、SMI染色の方が見やすいと思います。

パラフィン包埋後に組織が割れていることがあります。どうしたら良いですか?

組織の割れが固定前と固定後のどちらで生じているのか見極める必要があります。

  • 固定前に機械的な圧力などで組織が損傷を受けると、好酸性になったり、細胞成分が変形することがあります。HE染色標本で、割れた部位と周囲の組織の色合いや細胞成分の形態が極端に異なるか確認しましょう。
  • 脱水時に組織が収縮する際に、組織が割れる可能性もあります。脱水の条件を見直してみましょう。

切片厚を厚くし薄切した際に、40℃の蒸留水にスライドガラスを静かに沈めることで切片を浮かせ伸展させてのせる過程で、どうしてもシワがよってしまいます。シワを寄せないコツなど教えてください。

シワが入る時の応急措置として、

  1. お湯の温度を変える
  2. 切片をお湯で伸ばす時間を変える
  3. 薄切するときにブロックを冷やす

など試してみても良いかもしれません。

メセナミン銀染色について質問です。「最新 染色法のすべて」という教本のプロトコルにて、メセナミン銀液は1~2時間、塩化金液は3時間以上とありますが、それくらい必要でしょうか?

メセナミン銀液は1時間したら様子を見て1時間15分から30分程度で引き上げても良いと思います。途中顕微鏡で染色性をチェックしながら良い時間を決めてみてください。

塩化金は濃度を濃くして短くすれば良いのではないでしょうか。1%にして30分から1時間程度でも良いと思います。塩化金は背景処理をするための行程です。背景がきれいなら短めに強いようなら長めに調整してみてください。

ガリアス・ブラーク染色について質問です。還元液AをB液に指示通りに混ぜたところ、透明にはならず薄く白くなりました。B液にA液の硝酸アンモニウムに硝酸銀を混ぜた段階でうす白くなりました。これはこのまま進めても染まるのでしょうか?

白く濁ったものは銀が析出しておりますので使用せず廃液として処理してください。

A液をピペッターで少量ずつ混ぜると良いと思います。

最新染色法のすべて という教本を参考にしているのですが、ガリアス・ブラーク染色で硝酸ランタン液を使用する工程があるのですが、関さん方のプロトコルでは見られません。特に必要のない行程でしょうか?

ガリアス染色では非特異的反応を小さくするために切片を酸化剤で酸化する行程があります。過ヨウ素酸水溶液、硝酸ランタン水溶液、過マンガン酸カリウム水溶液が酸化剤として用いられてきております。 私はその中でも劇的に非特異的反応を抑えることができる過マンガン酸カリウム水溶液を使用しております。 この場合、硝酸ランタンは作用がかぶるため使用する必要はありません。

ミトコンドリア筋脳症の腸腰筋のパラフィン切片でゴモリ・トリクローム染色を行いたいと考えております。(赤色ぼろ繊維を染めたいと考えております)このサイトで掲載されている方法で染めることは可能でしょうか?

筋肉の標本を取り扱った経験がないので筋肉疾患の専門医におつなぎいたします。

GFAPはどの抗体を使っていますか?

anti-Glial Fibrillary Acidic Protein mouse monoclonal, GF 12.24, lyophilized, purified を使用しております。

βAPPを染めているのですがよく染まらないので抗体を教えて欲しい

Anti-Alzheimer Precursor Protein A4, clone 22c11 を使用しております。