⑫ 染色

ホームズ(Holmes)染色(江口・関改変)

Holmes(1943)は、すべて無機の安定した試薬を使用して神経突起を鍍銀するホームズ法を開発した。一方、神経突起の鍍銀法として広範に用いられてきたボディアン法は、使用するプロテイン銀の品質によって、著しく染色結果が左右されるという欠点を持つ。ホームズ法はこの欠点を補う点で、ボディアン法の代替法として利用できる。

しかしながら、ホームズ法は鍍銀を2回行うため手間と時間がかかる。しかも、2回のうち1回目の鍍銀は20%と高濃度の硝酸銀水溶液を使用しており、技師の健康面および環境面への影響が懸念される。そこで、我々は20%硝酸銀水溶液による鍍銀を省略しても十分鍍銀できるよう改変を施した。

マークの箇所を改変いたしました。

染色法

① 脱パラフィン、水洗
② 蒸留水
③ 鍍銀液 37℃ 16〜20時間
④ 還元液10分
⑤ 流水洗、蒸留水
⑥ 0.2%塩化金水溶液5分
⑦ 流水洗
⑧ 2%シュウ酸水溶液5分
⑨ 流水洗
⑩ 定着液(5%チオ硫酸ナトリウム水溶液)10分
⑪ 脱水、透徹、封入

鍍銀液

ホウ酸・ホウ砂緩衝液(pH8.2)20ml
1%硝酸銀水溶液 3ml
10%ピリジン水溶液 6ml
蒸留水100ml
銅片※ 4g

※ 鍍銀液に銅片を入れることにより、皮質における染色性は良くなる。しかしながら、部位によっては髄鞘が目立ってしまう。特に、脊髄横断面は鍍銀液に銅片を入れないほうが良い。

ホウ酸・ホウ砂緩衝液の調整

pH0.2Mホウ酸(ml) 0.05Mホウ砂(ml)
7.8164
8.0146
8.2137
8.4119
8.7812
9.0416

還元液

ヒドロキノン1g
無水亜硫酸ナトリウム5g
蒸留水100ml