皮質基底核変性症(corticobasal degeneration CBD)は、1968年、Rebeizらにより、corticodentatonigral degeneration with neuronal achromasiaとして3症例が報告された症例が雛形となっている。大脳皮質の萎縮が著明で、特に前頭葉、頭頂葉の萎縮がみられる。大脳皮質の障害に左右差が認められるのも特徴であるが、左右差があまりはっきりしない症例もある。皮質下諸核では淡蒼球外節や視床にも変性がみられる。視床下核、赤核、歯状核の神経細胞脱落は、PSPに比べて、軽度である。大脳皮質の残存する神経細胞にBallooned neuronが認められ、帯状回、扁桃体や島回などにもみられる。神経細胞内には、アルツハイマー神経原線維変化ではなく、明らかな線維状の構造をとらず、細胞質がび慢性にガリアスーブラーク染色あるいはタウ免疫染色で染色されるいわゆるプレタングル(pretangle)が認められる。アストロサイトの比較的遠位部の突起にタウが蓄積し、縮れた線維状構造物が斑状、花冠状に集合していているように見えるため、アストロサイト斑(astrocytic plque)言われる。蓄積するリン酸化タウは4リピートタウが主体である。