サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)による脳炎である。子宮内で胎児に感染する先天性のサイトメガロウイルス感染症は、致死的になるか、あるいは死に至らずとも胎児脳は小頭症になる。脳内には石灰化が生じる。多小脳回を認める。
一方、成人期での感染は全く先天性のものとは異なる。悪性腫瘍、慢性炎症、エイズを始めとする消耗性疾患に伴って日和見感染として発症する。ウイルスは神経細胞、アストロサイト、上衣細胞の核に感染し、核小体より大きなサイズの特徴的な核内封入体を形成する。