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9)アストロサイトの病変

アストロサイトは脳神経の機能維持のために極めて重要な役割を担っており、また、次ページに示すように、様々なストレスによって形成が変化する。特に組織障害においては反応性アストロサイトとして線維成分が増加し、やがて(陳旧性になれば)グリオーシス(グリア瘢痕)を形成し、HE染色でも観察可能であるが、ホルツァー染色で明瞭に可視化できる。小脳皮質(プルキンエ細胞層)に存在するアストロサイトは別名、ベルクマングリア(Bergmann glia)と呼ばれ、そこでのグリオーシスはベルクマングリーシス(Bergmann gliosis)などと言う。

アストロサイトの反応性変化

一方、タウの構造異常が細胞質内、および突起内に生じる場合があり、病理診断の指標となりうる。この病変はリン酸化タウ抗体を用いた免疫染色では検出することができるが、一般的な染色ではガリアス染色でのみしか可視化することはできない。従って、ガリアス染色が普及してきた1990年代以前は、その存在が知られていなかった。

アストロサイト内の蓄積物