WHO改訂第4版(WHO 2016)から遺伝子検索が診断の確定には必須となり、分子遺伝学的検索が未施行の場合はnot otherwise specified (NOS)、未確定を診断名の後に付けることとなった。WHO2016ではIDH変異と1p19q co-deletionの2つが診断に必須である。
星細胞腫系腫瘍群と乏突起膠細胞系腫瘍群は神経膠前駆細胞 glial progenitor cellにIDH変異が生じることで腫瘍化が始まると考えられており、もっとも多い変異であるIDH1 R132H変異は免疫染色でも検討可能である(脳腫瘍を専門としていない施設でもぜひ導入されたい)。1p19qの共欠損は乏突起膠細胞系腫瘍の確定に必要である。
※WHO2021ではさらに分類が変更された。グリア系、神経細胞系の腫瘍はGliomas, and Glioneuronal & neuronal tumorsとして大きな枠組みが設定され以下の腫瘍が定義された。
主な変更点として、IDH-wildtype astrocytomaが削除され、成人と小児の浸潤性グリオーマが区別され、さらに小児の浸潤性グリオーマが低悪性度群と高悪性度群に分類された。また悪性度を評価するWHO gradeがローマ数字(I, II, III, IV)からアラビア数字(1, 2, 3, 4)へ変更された。当ホームページの作成時はWHO2021の成書が出版されておらず、WHO改訂第4版(WHO 2016)をもとに作成した。これらの変更点は成書が出たのち随時当サイトに反映したい。