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1. びまん性星細胞系および乏突起膠細胞系腫瘍
Diffuse astrocytic and oligodendroglial tumors

総説
びまん性星細胞腫
肥胖細胞性星細胞腫, IDH変異
退形成性星細胞腫
膠芽腫
巨細胞膠芽腫
膠肉腫
類上皮膠芽腫
びまん性正中膠腫, H3 K27M変異
乏突起膠腫
退形成性乏突起膠腫
乏突起星細胞腫
退形成性乏突起星細胞腫膠腫
WHO grade IV(WHO2016におけるgrade)

膠芽腫
Glioblastoma

悪性度が高く発生頻度の高い脳腫瘍。脳原発悪性腫瘍の約半数を占める。IDH変異型は、びまん性/退形成性星細胞腫から進展し発生するためsecondary glioblastomaと呼ばれるのに対し、IDH野生型はde novoに発生すると考えられている。90%がIDH野生型でこちらのほうが予後が悪い。

【組織所見】

高度な核異型を伴う腫瘍細胞が密に増殖する。診断基準として大事なのが微小血管増生microvascular proliferationと柵状壊死palisading necrosisの存在で、どちらか一方の存在が膠芽腫の診断には必須である。増殖能が高く、豊富な核分裂像が観察されKi-67の標識率は15~20%以上となる。

【免疫組織化学/分子情報】

55歳以上の膠芽腫ではIDH1 R132H以外の変異は極めて稀であることから、組織学的に膠芽腫と診断できれば免疫染色のR132H特異抗体が陰性の場合、IDH野生型と診断できる(55歳ルール)。

※WHO2021では、IDH野生型の浸潤性星細胞腫で以下のうちの1つ以上の遺伝子異常を有する腫瘍は微小血管増殖、壊死を有さずとも、遺伝学的なGlioblastomaとして定義された。


 

KI-67の標識率が非常に高い

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