悪性度が高く発生頻度の高い脳腫瘍。脳原発悪性腫瘍の約半数を占める。IDH変異型は、びまん性/退形成性星細胞腫から進展し発生するためsecondary glioblastomaと呼ばれるのに対し、IDH野生型はde novoに発生すると考えられている。90%がIDH野生型でこちらのほうが予後が悪い。
高度な核異型を伴う腫瘍細胞が密に増殖する。診断基準として大事なのが微小血管増生microvascular proliferationと柵状壊死palisading necrosisの存在で、どちらか一方の存在が膠芽腫の診断には必須である。増殖能が高く、豊富な核分裂像が観察されKi-67の標識率は15~20%以上となる。
55歳以上の膠芽腫ではIDH1 R132H以外の変異は極めて稀であることから、組織学的に膠芽腫と診断できれば免疫染色のR132H特異抗体が陰性の場合、IDH野生型と診断できる(55歳ルール)。
※WHO2021では、IDH野生型の浸潤性星細胞腫で以下のうちの1つ以上の遺伝子異常を有する腫瘍は微小血管増殖、壊死を有さずとも、遺伝学的なGlioblastomaとして定義された。
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![]() KI-67の標識率が非常に高い |
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