脳神経解剖の基本

ブロードマン脳地図

大脳皮質の6層構造の微妙な違いを詳細に調べた研究者がいます。ブロードマン(Korbinian roadmann 1868 - 1918)は人の大脳皮質を詳細に調べ、層構造における神経細胞の密度や量など、厚さの違いにより、大脳皮質に50以上の番地をつけました。それをブロードマンの脳地図と言います。図に描かれた脳に○や▲などの印がついている部分がひとつの番地になります。このイラストは、これら同じ印がついている部分が、人の大脳には50以上があることを示している有名な図です。左側が、大脳の外側面で、右側が、大脳の内側面を表しています。

ブロードマンは細胞構築の違いにより大脳皮質にたくさんの番地をつけたのですが、 その時点では、その番地がどのような意味(機能)を持っているかというところまでは明らかになっていませんでした。その後、大脳機能を電気生理学的、神経画像的に解明する研究の発展によって、脳地図には機能的な色分けがされていることが明らかとなってきました。図にはその一部を示しています。例えば運動情報の発信部位の番地は4野と6野、感覚情報を受け取る部位は1野、2野と3野、網膜からの視覚情報を受け取って主に形として認識するのは17野、18野と19野などと、一つの機能を担当する場所が、がおおよそ同じような位置に塊として存在していることがわかってきました。

この図は大脳の左右の正中を内側から見たものです。大脳の外側だけでなく、内側にも同じ機能の場所があることがわかります。

体を動かす役割の神経細胞は、図のように手足や顔を動かす神経細胞ごとに同じような場所に存在しています。舌や顔の筋肉を動かす神経細胞は大脳の横のほう、手や腕、体幹は大脳の上部、脚は大脳の内側が指令を出す場所になります。大脳をまたがっている人形が、そのような位置関係を表しています。

この人形の大脳皮質における位置関係を、世界で始めて明らかにしたのが、カナダの脳神経外科医のペンフィールドです。電気生理的な検査により、大脳皮質のどこが手を動かす担当か、どこが顔を担当していのか?ということを詳細に明らかにして、小人が大脳に横たわるイラストを示しました。これを運動の小人(ホモンクルス)と言います。また、図には示していませんが、運動と同じように、感覚の小人(ホモンクルス)もペンフィールドは明らかにしました。

運動の小人(ホモンクスル Homunculus)も、感覚の小人(ホモンクスル Homunculus)も、手と顔を担当する大脳皮質広さを三次元の人形で表すと、図のようなものになります。人間は表情豊かで、言葉を話し、また、手指で細かな作業ができる動物です。