脳神経解剖の基本

大脳皮質6層構造

これは大脳の表面付近のクリューバ・バレラ染色像です。表面のうち青色が薄い帯状の部分が、神経細胞がある大脳皮質であり、青色が濃い深部のほうは、神経細胞から出る神経線維(軸索)がたくさん詰まった大脳白質と言います。

神経細胞が多数存在している大脳皮質には、神経細胞が一様に雑に配置されているわけではなく、神経細胞の配列の特徴から、おおよそ6つの層構造が形成されています。配列している神経細胞の大きさや形、密度の違いから、顕微鏡的には、分子層、外顆粒細胞層、外錐体細胞層、内顆粒細胞層、内錐体細胞層、多形細胞層が区別されます。しかし、これらの6層の厚さなどは、大脳皮質の場所によって様々であり、それぞれの層における神経細胞の大きさや形などもまちまちです。つまり、大脳皮質は大脳の場所によって微妙に構造が違っていて、それが大脳皮質の機能と何らか関係していることが、わかってきました。