脳神経解剖の基本

大脳外観と内部構造

大脳の外観を見てみましょう。図は皮膚、頭蓋骨、および脳脊髄を覆う硬膜を取り去った大脳表面です。大脳は大きくわけて前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉に分かれます。その大脳表面に、運動(一次運動野)、視覚(一次視覚野)、聴覚(一次聴覚野)、言語理解(知覚言語野)、言語作成(運動言語野)を担当する領域の場所が決まっています。

この図は、大脳をほぼ真ん中でカットして前頭葉部分を取り去って、前から大脳の内部を見ているものです。この切り方による断面のことを前額断面と言います。大脳の表面は大脳皮質と言い、神経細胞が沢山配置されています。その直下の大脳白質は、大脳皮質にある神経細胞の遠心性神経線維(軸索と言います)や、大脳皮質にある神経細胞に情報を伝える他の神経細胞からの軸索が豊富に存在している場所で、肉眼的にも白っぽく見えることから白質と言います。記憶の中枢である海馬は、大脳底面の内側に位置しています。その大脳底面は、脳幹(中脳・橋・延髄)から脊髄へと連続してゆきます。

大脳を水平断した内部構造です。

大脳を縦方向に切った矢状断での内部構造です。