運動神経系の病変

ALSの神経細胞内封入体

変性する神経細胞内にはしばしばブニナ小体(Bunina body)、スケイン(skein)などの異常構造物を認め、これらは本疾患に特異的に出現します。スケインは、リン酸化TDP43という蛋白質で構成されていることが明らかになっていますが、一方、ブニナ小体の蛋白組成は未だ明らかではありません。また、ALSの運動機能障害に加えて認知機能も低下する症例では、海馬などを含む神経細胞にユビキチン化された神経細胞内封入体が形成されます。この封入体の蛋白組成は、スケインと同じくリン酸化TDP43であることが明らかになっています。