筋疾患のアウトライン

神経原性筋萎縮

脊髄の運動ニューロン(脊髄の前角にある運動性神経細胞)または脊髄から出る末梢神経の障害により筋が萎縮する(やせる)状態を神経原性筋萎縮と呼びます。運動ニューロンが障害される病気(運動ニューロン疾患)の代表は筋萎縮性側索硬化症(ALS)ですが、それ以外にも、脊髄性進行性筋萎縮症(SPMA)と総称されるまれな疾患群があります。

脊髄性進行性筋萎縮症は胎児から成人まで広い年齢で発症し、一般に若く発症した時には進行が速いという傾向はあるものの、進行性、重症度には個人差があります。この中には遺伝的素因のある病気が多いと考えられています。

脊髄性進行性筋萎縮症と症状や病態のうえで共通点が多い疾患に球脊髄型筋萎縮症(BSMA)があります。この病気の特徴は舌や喉の筋の萎縮が目立つ点です。また比較的早期から手指のふるえがみられ、しばしば男性にもかかわらず女性のような乳房(女性化乳房)を伴うことも指摘されています。この病気はX染色体性劣性遺伝形式をとるため、原則として男性のみにおこります。

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