筋肉の働きとその障害

筋の病気の主な種類

筋の病気の中には大きく分けると筋自身に病気の原因があるものと、筋を動かす作用をしている神経系に原因があるものがあります。筋自身に原因のある病気をミオパチーまたは筋原性筋萎縮症、あるいは筋症と呼んでいます。一方、神経に起因するものは神経原性筋萎縮症と総称します。

1.神経原性筋萎縮症

脊髄にあって運動をつかさどる神経細胞である二次(下位)運動ニューロンが主に障害される運動ニューロン疾患と、それより末梢の神経が障害される末梢神経障害の二つに大別できます。運動ニューロン疾患の代表は筋萎縮性側索硬化症(ALS)ですが、この病気については別項でくわしく述べられていますのでご参照ください。末梢神経障害の原因は多岐にわたります。運動ニューロン疾患か末梢神経障害かを見分けることは臨床的に非常に重要で、このために電気生理学的検査と総称される針筋電図や末梢神経伝導検査などの検査その他の検査が行われます。

2.ミオパチー

主なものには筋ジストロフィー、先天性ミオパチー、炎症性ミオパチー (筋炎)および代謝性ミオパチーなどがあります。筋ジストロフィーと先天性ミオパチーは遺伝性の疾患で、とくに進行性が明瞭なものを筋ジストロフィー、それほど進行が目立たないものが先天性ミオパチーとおおまかに分類しています。

3.神経原性筋萎縮と筋原性筋萎縮(筋症またはミオパチー)の区別

この二つの筋萎縮症を診察から確実に区別することはできませんが、次のような傾向があることから、ある程度は推測することができます。

  1. 神経原性萎縮では手足の先のほう(遠位部)のやせが目立つことが多い、それに対しミオパチーの場合は手足のつけねに近い(近位部)に症状が強いことが多い。
  2. 神経原性萎縮とミオパチーをくらべると、神経原性では筋萎縮の程度にくらべて筋力が保たれている傾向がある。
  3. 神経原性筋萎縮では、神経障害を示すほかの症状が一緒にみられることがある。

その症状には、感覚障害(しびれや痛み、感覚の鈍い部位など)、筋の緊張の異常、反射の異常などがある。筋の一部が細かく引きつるように動く現象やふるえがみとめられることもある。

これ以外に、筋電図などの電気的な検査や、血液中に筋から移行するタンパク質を測定すると、より正確に区別ができます。まれにはこの二つの原因の両方が関与している場合もあります。

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