アルツハイマー病を初めとする認知症疾患や正常加齢現象として神経細胞内にリン酸化タウ蛋白の不溶性の蓄積が起き、異常線維形成として蓄積されたものである。嗜銀性を有し、形態な形容として火炎状(flame-shaped)、渦巻き状(globose-shaped)、あるいは細胞内、細胞外などが区別されて表現されることがある。加齢や認知症疾患だけでなく、亜急性硬化性汎脳炎(subacute sclerosis pancencephalitis)、周産期脳障害の後遺症、ニーマンピック病C型(Nieman-Pick disease type C)の年長例、頭部外傷遷延例(ボクサー脳)などでも出現する。
ヘマトキシリン・エオジン染色:好酸性に染色され、比較的光沢のあるような線維の束として観察されるが、古いものは好酸性を帯びてくる。
ボディアン染色:強い嗜銀性を呈するので、HE染色よりは識別しやすい。
リン酸化タウ染色:構成成分であるリン酸化タウ染色で明瞭に染色される。
ガリアス・ブラーク染色:黒色に明瞭に染色されるので、検出が非常に容易である。しかし、ガリアスーブラーク染色で染色されるものがすべてNFTであるわけでないので注意を要する。