2019/10/10

☆アメフト選手の脳所見

Tweet ThisSend to Facebook | by 新井 信隆
今日は第9回の神経病理クルズスでした。
テーマは、「頭部外傷の今日的話題」でした。
頭部外傷の教科書的なことに加えて、慢性外傷性脳症(chronic traumatic encephalopathy; CTE)について解説しました。特にアメフト選手の脳障害について、多くの剖検例による検証が行われ、かなり多くの割合で、リン酸化タウの蓄積が脳内に生じていることがあきらかになっています(下記のJAMAの論文)。

特にトッププレイヤーであるNFLの選手に至っては、99%の剖検脳においてリン酸化タウの蓄積が認められています。論文をみていただければわかりますが、かなり衝撃的なデータです。

ただし、これらの現象がアメフトによるものなのか、個人の生理学的、病理学的な背景があってのことか、ということについては、慎重な検証が必要とおもいますが、いずれにしましても、検証を要する高率な病的所見と言っても過言ではないと思います。

以上は私の個人的な見解ではありませんが、各方面での科学的な検証が行われていますので、紹介したいと思います。



併せてこちらもご覧ください。
https://pathologycenter.jp/kiasma/neurohistotechnology-blog/
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