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第2回 都医学研シンポジウム脳神経疾患の臨床・研究の拠点形成による医療イノベーション
脳神経病理データベースを活用したてんかん病理診断
東京都医学総合研究所
脳発達・神経再生研究分野 分野長
脳病理標本リサーチセンター 統括マネージャー
新井信隆

脳神経病理データベースを活用したてんかん病理診断、というタイトルでお話しをさせていただきます。

てんかん病理診断を詳しく解説するというより、現在、作成に力を注いでおります脳神経病理データベースというデジタルツールを活用した、あたらしい診断の標準化の方法について、てんかん病理診断を例にあげて、解説したいと思います。

データベース紹介

医学研の研究活動

さて、私ども医学研の研究活動をシェーマにしておりますが、実験動物を用いたハイレベルな基礎研究の成果が生まれている一方で、臨床の現場で、ヒトに由来するデータやサンプルを用いた研究成果も数多く、生まれてきておりまして、東京都を中心とする大きな医療連携コンソーシアムを形成することを念頭においております。

脳標本作成による研究・検体の流れ

私は、てんかんを始めとする多くの神経疾患の脳そのものの標本を観察することにより、研究活動や診断支援活動を行っておりますが、そういった研究の成果物として、膨大な量の脳病理標本の蓄積がございます。

そして、それらを、後で紹介します技術によって、高精度にデジタル化をして、そのデータを専用サーバに搭載し、そのサーバにインターネットを介してアクセスすることにより、コンピュータのモニター上であたかも顕微鏡を覗いているような体験を行うことが可能となります。これらはバーチャル病理画像と言い、これらのデータベースを作成して、様々な目的において活用しています。

ヴァーチャル病理画像のデータベース運用 日本で3つのみ

ただし、日本全体を俯瞰しますと、このような、新しい技術である、バーチャル病理画像のデータベースは、必ずしも多くはなく、日本では3つのみ、と言ってもよいかと思います。

群馬大学の脳腫瘍リファレンスセンター、国立がん研究センターのガン診療画像レファレンスデータベース、そして、私どもの、都医学研・脳神経病理データベースであります。

このデータベースは、専門的な新聞でも紹介をしていただいているところです。

脳神経病理データベース 4つの役割

では、この脳神経病理データベースには、どんな役割があるか、ということですが、一つは、研究成果物の機関リポジトリ、つまり、データの倉庫という役割2つ目は教育、研修に資するウェブカンファレンスのツールを提供する役割、3つ目は、これからお話する病理診断の標準化のためのツールを提供する役割、そして、最終的には、病理医がだれでも同じ診断ができるためのソフトの開発、という4つの役割がございます。

さて、ここまでが冒頭のイントロダクションでございます。ここからは、てんかん患者さんの中で、脳外科治療が適応をなる患者さんの脳病変の診断基準の、問題点に触れて、それをどのように、このようなデジタルツールを活用して打開してゆくのか、という新しい試みに、話を移してゆこうと思います。