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2018 夏のセミナー
中枢神経系の染色法 − 的確な病理診断のために −
公益財団法人東京都医学総合研究所 神経病理解析室
関 絵里香

病理診断と染色

染色の重要性

これは小脳のHE染色標本である。中央にはプルキンエ細胞が2つある。小脳をHE染色で染めると、正常なプルキンエ細胞ならば核は青紫色に、細胞質はピンク色に染まる。ところが、この2つのプルキンエ細胞は細胞質と核が共に濃い赤い色をしている。また、核、細胞質共に萎縮しているように見える。

従って、これらプルキンエ細胞は正常とは言えない。核、細胞質ともに赤く萎縮する神経細胞の虚血性変化と診断できる。

しかし、これは虚血性変化ではない。実は、劣化した染色液を使用したため、本来染まるべき色に染まらなかったのである。これは、不適切な染色像が誤診を招く一例である。つまり、染色を適切に行うことは病理診断において重要な要素の1つと言える。

中枢神経系の染色

中枢神経系組織には一般組織にはない特異的な構造がある。これら特異的な構造は、特殊な染色法を用いて検出できる。そして、このような特殊な染色法は数多く知られている。我々は数多くある染色法の中から、主に6つの染色法を用いて中枢神経系の病理診断を行っている。