寺子屋をご覧いただきありがとうございます。
このコンテンツは2012年8月31日、9月1日に開催された第71回日本難病看護学会において、セミナーを担当させていただいたときの発表資料です。
今後、内容を増やしたり、判りやすい表現などに修正するなどして、より良い教育コンテンツにして行きたいと考えています。
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主に脳幹から出る脳神経のイメージ図を示します。
脳底部に左右一対の嗅球があり、臭いの情報を脳内(前頭眼窩皮質、梨状葉皮質など)へ伝えます。
嗅球への情報は、鼻腔の一部に存在する嗅粘膜にある嗅細胞から伝えられます。
迷走神経から枝分かれする反回神経は左では大動脈弓、右では鎖骨下動脈の下をくぐって上行します(反回する、と言います)。この長い経路の間で障害されると、声が嗄れたり(嗄声)します。
三叉神経は主に顔面の知覚を司っている神経で、脳幹から出て3つの大きな枝に分かれて頭蓋内から外に出てゆきます。三叉(みつまた)に分かれているので三叉(さんさ)神経と呼びます。頭蓋から出て来た枝は、眼窩の下やあごにある小さな穴から皮下で出てきますので、押すと痛覚を感じます。
顔面神経は顔面の筋肉の運動を司ります。顔がピリピリ痛いときに顔面神経痛と言ったりする場合も耳にしますが、それは正しくはありません。そのような場合は、三叉神経痛と言います。
眼球の裏側の網膜にある神経細胞から出た神経線維は束になって視神経となり頭蓋内に入ってきます。
脳を取り去った状態で、その様子をみたものが下の図になります。
眼科で検査する眼底写真は、その網膜を観察したもので、左右共に内側に視神経乳頭という部分がありますが、それは視神経そのもので、唯一、外から見える末梢神経です(中枢神経はもちろん見えません)。
眼球の網膜神経細胞から発した視覚情報は、視神経を経て脳内に入り、後頭葉の一次視覚野と言われるところに情報が伝わってはじめて、「色や形」として認識することができます。