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第17回日本難病看護学会・寺子屋

中枢神経と末梢神経

中枢神経と末梢神経の違いについて説明します。中枢神経系は大脳、脳幹、小脳、脊髄で構成され、そのうち大脳、脳幹、小脳をひとまとめに脳と言います。従って、中枢神経系は脳脊髄とも言い換えることができます。また、脳脊髄から出る枝ともいえる線維を末梢神経と総称します。大脳、脳幹から左右12対の脳神経が出て、脊髄からは左右31対の脊髄神経が出ています。

中枢神経

大脳(皮質、基底核、視床など)
脳幹(中脳、橋、延髄)
小脳
脊髄

末梢神経

脳神経(12対) 主に脳幹から左右1本づつ出る
脊髄神経(31対) 脊髄から左右1本づつ出る

脊髄レベルの中枢と末梢

下の左図は、椎骨の中にある脊髄(黄色の部分)だけを示しています。運動の指令は大脳から下降し、感覚の情報は下方から大脳へ上行します。右図は、脊髄から出ている脊髄神経(黄色)だけを示しています。脊髄を囲むように、前根と後根が出ていますが、前根は大脳からの運動の情報を末梢の筋肉に伝えます。一方、後根には末梢からの痛覚や触覚などの感覚情報が脊髄に届けられ、脊髄を上行して大脳へ伝わってゆきます。

脊髄の最上部の頸髄から出る頸髄神経が障害されると頸肩腕症候群を発症します。頸髄の下の胸髄から出る胸髄線維の前根が障害されると呼吸筋への指示が伝わらず呼吸筋麻痺に陥ります。

腰髄から出る腰髄神経細胞、仙髄から出る仙髄神経細胞を後ろから(背中側から)見ています。腰髄神経細胞と仙髄神経細胞から構成されている太い座骨神経が障害されると座骨神経痛になります。

下の左図は脊髄そのものを前から(おなか側から)見ています。脊髄は左右1〜1.5cm程度の細い中枢神経です。脊髄から出ている末梢神経(前根、後根)も観察されます。右図は脊髄の横断面を標本にしたものです。黄色丸で示した部分が、大脳からの運動指令の線維が下降するところで、錐体路と言われます。大脳からの運動指令を受けて、さらに筋肉に直接指令を出す神経細胞があるところを赤丸で示しています(前角と言います)。ここの神経細胞の線維が束になって前根を形成しています。

脳の位置関係のイメージ

寝ている人間の頭蓋骨を取り去り、大脳、脳幹、小脳をひとまとめに頭蓋内から取り去る様子を示しています。写真では、脳幹と脊髄は切り離されていることになります。

下の左図は大脳、脳幹、小脳の底面部が見えています。右図は、大脳、脳幹、小脳を取り去った後の頭蓋底の全貌を見ています。青丸で囲った部分において、白く見えている神経の束は、主に脳幹から出ている脳神経の断端部であり、その先は頭蓋内から頭蓋の外へと枝が伸びています(写真では見えません)。

脳を取り出したところ

頭蓋底部に見える視神経、三叉神経、脊髄の断端部が見えている。

いままで説明した中枢神経と末梢神経をまとめてみると下図のようになります。