2019/10/13

☆ギラン・モラレの三角

Tweet ThisSend to Facebook | by 新井 信隆
小脳歯状核、反対側の赤核、赤核と同じ側の下オリーブ核、そして、下オリーブ核の神経細胞が反対側の小脳歯状核に投射するループを、ギラン・モラレの三角ということは、学習された方も多いと思います。特に歯状核から赤核への線維の通り道は、上小脳脚といって、かなり狭き道です。びまん性軸索損傷では、脳梁に加えて、上小脳脚も、障害されやすい線維路です。

そして、不思議なことに、ギラン・モラレの三角ループのどこかが、外傷や梗塞など、いろいろな要因で障害されると、下オリーブ核では、神経細胞は突起が太く不整に伸びて、また、その周囲では肥はん型アストロサイトが増生し、髄鞘も現象します。この病理像を下オリーブ核の仮性肥大、といいます。

実際に下オリーブ核のボリュームが増える場合もあれば、核の周囲の髄鞘が消失することにより、一見、下オリーブ核が大きくなったように見える、という場合もあります。


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