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本気で中枢神経の疾患病理を学ぶ
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2 タウオパチー

アルツハイマー病

3 シヌクレイノパチー

パーキンソン病

アルツハイマー病(Alzheimer’s disease)

典型例では大脳皮質の著明な萎縮が認められる。主に前頭葉、側頭葉、頭頂葉が萎縮するが、萎縮性変化が明らかではない症例もある。組織学的には、大脳皮質の神経細胞内に形成されるアルツハイマー神経原線維変化(Alzheimer’s neurofibrillary tangle)の形成、および老人斑(senile plaque)、ニューロピルスレッド(neuropil thread)の形成が病理学的な特徴である。

アルツハイマー神経原線維変化は神経細胞内に形成されるが、変性した神経細胞が破壊され細胞外にも観察され、成分はリン酸化タウである。老人斑は基質のアミロイドの沈着と変性した神経突起の複合物である。ニューロピルスレッドは神経細胞の突起成分であり、リン酸化タウが蓄積している。

アルツハイマー病に関連する遺伝子関連産物に関しては、amyloid presursor protein (染色体21q上)、presenilin 1 (染色体14q上)、presenilin 2(染色体1q上)、apolipoprotein E(19q)が知られている。

タウオパチーに分類されるが、タウの蓄積は主にアルツハイマー神経原線維変化、ニューロピルスレッド、老人斑内の変性突起など、神経細胞内および神経突起内である。グリア細胞のタウの蓄積は軽度で診断的な意義はない。アルツハイマー病で蓄積するタウ蛋白は3リピートと4リピートのイソフォームから成る。

  • 側頭葉内側が萎縮し側脳室下角も拡大している。白質の容量も減少しており、側脳室が拡大している。
  • やや好塩基性を示す線維の束のように見えるのが神経原線維変化である。(HE染色)
  • 神経原線維変化は好銀性を示す。(ボディアン染色)
  • アルツハイマー神経原線維変化の塊のほか、糸くずのようなニューロピルスレッドも染色されている。(リン酸化タウ染色)
  • ガリアス染色ではアルツハイマー神経原線維変化は真っ黒に染まり、ボディアン染色で観察できるような内部の細かな様相はわからない。(ガリアス染色)
  • 好酸性の小さな塊の集合体が老人斑である。βアミロイドと変性神経突起が混在している像である。(HE染色)
  • ボディアン染色はβアミロイドを染める染色ではないが、もやもやした部分がβアミロイドである。(ボディアン染色)
  • HE染色で小さな塊に見えていたものの多くは変性神経突起であり、リン酸化タウで染色されている。(リン酸化タウ染色)