HOME脳神経疾患の病理 > トリプレットリピート病
トリプレットリピート病

トリプレットリピート病とは?

遺伝子の塩基配列のうちCAGなどの3塩基単位(トリプレット)が、CGACGACGACGACGACGA・・・・・のように連続して繰り返し配列することをトリプレットリピート(triplet repeat)という。この繰り返しの回数にはトリプレットを構成する塩基配列の種類などによって、正常人でも多様であるが、ある程度以上に多く繰り替えして伸長(過伸長)すると何らかの神経障害を惹起する場合があり、総称してトリプレットリピート病(triplet repeat disease)という。

遺伝子上でトリプレットリピート病を引き起こす場合のリピート部分の塩基配列として代表的な部分は、翻訳領域でのCAGの塩基配列部分である。このCAGが過伸長することによる疾病をCAGトリプレットリピート病、あるいはCAGリピート病ともいう。

一方、CAGの過伸長によって過剰に産生される蛋白質はポリグルタミンであり、神経細胞の核内、細胞質内に蓄積することによって細胞障害が生じることが知られており、そのような観点から、ポリグルタミン病(polyglutamine disease)とも総称されている。

これらトリプレットリピート病、あるいはポリグルタミン病には、ハンチントン舞踏病(Hunchington's chorea)、脊髄小脳失調症1型(spinocerebellar ataxia 1;SCA1)、SCA2、SCA6、SCA7、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(dentatorubropallidoluysial atrophy)、マシャドージョセフ病(Machado-Joseph病)、球脊髄性筋萎縮症(spinalbulbar muscular atrophy)などが知られている。

一方、トリプレットの過伸長は非翻訳領域やイントロン部にも存在する。5末端の非翻訳領域の過剰なトリプレットリピートでは、ひ弱X症候群(fragile X syndrome)が発症し、3末端の非翻訳領域では筋緊張性ジストロフィー(myotonic muscular dystrophy)が、また、イントロン領域でのトリプレットリピート過伸長では、フリードライヒ失調症(Freidreich's ataxia)が発症することが明らかとなっている。

神経細胞のポリグルタミン核内封入体