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タウオパチー

進行性核上性麻痺 (progressive supranuclear palsy;PSP)

肉眼的には大脳基底核(淡蒼球や視床下核)の萎縮、黒質や青斑核での脱色素を伴う脳幹被蓋部に強調される萎縮、小脳歯状核および遠心系の変性を認める。大脳における顕著な萎縮性変化はないとされていたため、皮質下の障害に起因する認知症と認識されていたが、後述するグリア細胞へのリン酸化タウの蓄積が大脳皮質に公汎に認められることから、本症では大脳皮質そのものも障害されると理解されるようになっている。

NFTのうち、火炎状ではなく、渦を巻くような形態(渦巻き型、globose type)のNFTが上記の灰白質に認めるのが特徴であるが、リン酸化タウは大脳皮質や基底核などの灰白質におけるアストロサイトの突起にも蓄積し、房状アストロサイト(tufted astrocyte)と呼称され、本症の病理診断の特異的指標となっている。房状アストロサイトは、1990年代半ばから普及したガリアス染色が行われる前の古典的染色では検出することができなかった病変であり、今日ではガリアス染色あるいはリン酸化タウ抗体による免疫染色で確認することが必須である。房状アストロサイトの他、オリゴデンドログリアの細胞体および近位の突起にリン酸化タウが蓄積したコイル小体(coiled body)も多数認めるが、本症に特異的ということではない。