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神経病理各論:神経感染症

真菌性など

真菌感染症:fungal infection

カンジダ症(candidiasis)

最も頻度の多い真菌感染症であり、candida alvicansが病原体であることが多い。消化管、尿路系、呼吸器系から血行性に脳に播種し、小さな膿瘍を形成する。Candia albicansの形状は特徴的で細長い括れをもった菌糸に円形〜類円形の胞子が付着している。PAS染色で明瞭に染色される。

 

アルペスギスル症(aspergillosis)

カンジダ症についで多い真菌感染症でありapergillus fumigatusが病原体である。肺に結節状の感染巣を形成することが多く、血行性に脳へ播種する。菌体が集合して菌球(fungus ball)を形成することがある。血管壁を閉塞させることがあり、循環障害を引き起こすこともしばしばである。Y字に分岐する菌糸が特徴的である。

クリプトコッカス症(cryptococcosis)

Cryptococcus neoformansを病原体とする真菌症であり、呼吸器の病巣から血行性に脳に伝播することが多い。この病原体自体はハトなどの糞で増殖し、土壌中に存在し空中にも浮遊している。病理学的には小さな嚢胞(cyst)を形成し石鹸の泡のよう見えるのが特徴である。球状の無子嚢胞酵母であり、PAS染色で明瞭に染色される。

ムコール症(mucormycosis)

ムコール菌は自然界に広く存在している。ヒトでは鼻粘膜や副鼻腔に存在しており、そこから前頭葉の眼窩面に侵入して増殖する傾向がある。糖尿病のケトアシドーシス状態で合併しやすいことはよく知られている。

寄生虫感染症

トキソプラズマ感染症(toxoplasmosis)

ネコが媒介する原虫であるtoxoplasma gondiiによる原虫感染症(protozoal infection)である。トキソプラズマは2〜5μ程度の小さな嚢胞に囲まれたような形で存在するのが特徴である。脳内には強い壊死病変を形成することがある。このトキソプラズマ感染が子宮内感染によって胎児脳に感染すると、小頭、脳内石灰化、多小脳回などの形成異常を引き起こす。

その他の寄生虫感染症

原虫によるものとしてマラリア原虫による脳症がある。条虫によるものとして有こう嚢虫症(cysticercosis)が古くから知られて