実績等(費用対効果)
- 経費の節減(年間):標本を観察するために必要な環境(標本、顕微鏡)を新たに作りだすための初期投資として、一人のユーザーあたり最低500,000円のコストが必要となるが、本データベースは、ICTの恩恵により、インターネット接続可能なコンピューターがあれば、顕微鏡などを必要としない病理画像閲覧システムである。これまで、都立病院医師に100件程度のアカウントを発行している。また、その他のユーザ(大学医学部)に年間650件程度のアカウントを発行している。従って、コストカットできる初期投資の経費は、500,000円 x 750人 = 375,000,000円、と試算される。
- 所要時間の縮減:上記の750人が、仮に研究所を訪問して標本を顕微鏡観察することを想定した場合、1日往復2時間かかると仮定すると、1日の時間短縮は、1時間 x 750 = 1,500時間になる。仮に一人が年間10回、データベースを利用すると想定すれば、全体としては、年間15,000時間(約20ヶ月)の時間短縮と算出される。これこそがICTを活用したデジタル社会の真骨頂である。
- 都民、利用者等の利便性・サービスの向上:デジタルデータベースであるので、パソコン、インターネット接続環境さえあれば、一日中時間に制約されることなく利用可能であるので、利便性は極めて高い。
- 環境負荷の軽減:有機溶媒などの試薬を使用するものではないので、環境破壊に繋がる要素は全くない。
- 国、他自治体、民間企業への波及効果:医師、看護師、その他の医療スタッフの研修などに極めて有効に活用可能である。また、インターネットでの学習であるので、業務時間への負荷がないような利用が可能であり、急速に全国に波及してゆく可能性が高い。
- 今後の研究・開発の進展への寄与など:現在、本データベースの英語版を作成している。完成した暁には、神経疾患の病態理解のための世界標準ウェブ教科書になることは間違いなく、認知度と利用者数の増加が飛躍的に高まると確信している。
